愛、シテあげる。*完*
「どうしました?」
淡々と言葉を紡ぐその唇は、綺麗な形。
あれれ?;
蓮君って……
こ、こんなに綺麗な顔してた?
あ、私ってば、ちゃんと顔見てなかったんだ。
まぁそれは仕方ないか。だって、変態なんだもん。仕方ない仕方ない。
でも、見てなくて良かったかも。
見てたらきっと……
……想像したくねぇ~///
私は、外見で人を判断しないと自分で思ってるんだけど、
これはヤバイ。
もしまともに顔を見ていたなら、刺激が強すぎてきっと失神モノ。
漆黒のストレートの髪は、絹糸みたいに柔らかそう。
髪と同じ色の瞳は感情が読めなくて、山奥にある湖を連想させるくらい、深い色で透き通ってる。
鼻筋は真っ直ぐで、薄い唇とよくバランスが取れてて。
それに、白くてきめ細かい肌!私より綺麗な肌じゃないかな。羨ましいなこのやろぉ。
つか、その肌が色々と醸(かも)し出しちゃってる感じする。
ムンムンって感じ。
私の学校に蓮君が来たとき、皆が騒いでた訳が今分かった。
小柄な体格でも、心の芯はしっかりしてるように感じるし。
何だろう……どこか深みを感じる雰囲気。
あ、甘いテノールの声を持ってるからかも。
はあ……これはナルシストでも仕方ないか…。
こんな外見と雰囲気を持ってるなんて…
ズルくないかい?
私なんて本当に平凡の中の平凡だからなぁ。