愛、シテあげる。*完*


「どうしました?」




淡々と言葉を紡ぐその唇は、綺麗な形。


あれれ?;



蓮君って……

こ、こんなに綺麗な顔してた?





あ、私ってば、ちゃんと顔見てなかったんだ。


まぁそれは仕方ないか。だって、変態なんだもん。仕方ない仕方ない。


でも、見てなくて良かったかも。


見てたらきっと……


……想像したくねぇ~///






私は、外見で人を判断しないと自分で思ってるんだけど、




これはヤバイ。



もしまともに顔を見ていたなら、刺激が強すぎてきっと失神モノ。




漆黒のストレートの髪は、絹糸みたいに柔らかそう。



髪と同じ色の瞳は感情が読めなくて、山奥にある湖を連想させるくらい、深い色で透き通ってる。



鼻筋は真っ直ぐで、薄い唇とよくバランスが取れてて。


それに、白くてきめ細かい肌!私より綺麗な肌じゃないかな。羨ましいなこのやろぉ。


つか、その肌が色々と醸(かも)し出しちゃってる感じする。

ムンムンって感じ。


私の学校に蓮君が来たとき、皆が騒いでた訳が今分かった。


小柄な体格でも、心の芯はしっかりしてるように感じるし。

何だろう……どこか深みを感じる雰囲気。


あ、甘いテノールの声を持ってるからかも。



はあ……これはナルシストでも仕方ないか…。


こんな外見と雰囲気を持ってるなんて…


ズルくないかい?



私なんて本当に平凡の中の平凡だからなぁ。






< 23 / 212 >

この作品をシェア

pagetop