愛、シテあげる。*完*
「真央さん?」
「…」
「鍋、噴いてますよ」
「……えっ!;」
慌てて手元を見ると、グッツグッツ踊るカレーの具達…。
火、火、消さなきゃ!
急いでコンロの火を消す。
ふぅぅ~;
「危なかった…」
「大丈夫ですか?火傷してませんか」
蓮君が、心配したように急ぎ足でキッチンに入ってくる。
うぎゃぎゃぎゃ!!
来るな来るな来るなああ!!
「わわわっ!だ、大丈夫だから、もどッ、戻って!」
マッハで後ずさり。
つか、来んなって言ってるのに何で……
ジュッ
「あッつ!!」
後ろに回した手が、コンロに触れた。
反射的に手を引っ込める。
あちィあちィ!(泣)
てか痛い!
「ほら、大丈夫じゃないじゃないですか」
「だ、誰のせいだと!」
「誰ですか」
「~~ッ!!」
こ、こいつ!
あんたが来なかったらコンロになんか触らなかったもん!
「手、早く冷やしましょう」
怒る私を意に介さず、冷静に対処する蓮君。
「う、うん。冷やす!冷やすから!」
早く離れろぉぉー!!
なんて私の意思を無視して、蓮君は私の腕を掴んだ。