愛、シテあげる。*完*
「では、カレー食べましょうか」
スッと体が離れる。
え、何。
一気に拍子抜け。
「今…何を?」
「何も」
「だって…印って」
「気にしないでください」
気にするわー!!
沸々と生まれる色々な感情に、どう対応していいのか分からない。
ドキドキとか
ドキドキとか
ドキドキとか…
…って、
ドキドキしかないけど!
あたふたする私に構わず、蓮君はさっさと夕飯の準備を進める。
本当に本当に、
何なんだろうこの男は。
私を遊んで楽しんでるだけなんじゃないの?
ギロッと睨み付けると、
何を思ったか、ヤツは私に微笑んで
「そんな、潤んだ目で誘わないでください」
「さささ誘うって、何処にも誘ってない!?」
「……はぁ。本気で無知ですか」
やれやれ、と呆れる男を
切実に殴りたい。