愛、シテあげる。*完*
「この公式を応用して…」
昼休みが終わり、現在大嫌いな数Ⅱの授業中。
一応まともに勉強してる私は、理解できるっちゃあできるんだけど…
「…つまんない」
さっきから気が散っちゃって、ボケーッと窓の外を眺めてる。
山本先生のわかりやすぅい解説も、右から左に流れてく。
風が吹いて、木が揺れてる~とか、桜はもう散っちゃうなぁとか
色々思っていたら
ふと。
校門が視界に入る。
その瞬間、ぶわり、と浮かんできたのは蓮の姿。
待ち伏せされてたのはつい最近だったというのに、
もう一ヶ月も前のように感じた。
あぁ…、そういやキスされたんだっけ。
ポワン、と思い出すのは柔らかい唇の感触。
「ぅぅ…///」
頬がジワリと熱を持った。