愛、シテあげる。*完*







「この公式を応用して…」



昼休みが終わり、現在大嫌いな数Ⅱの授業中。



一応まともに勉強してる私は、理解できるっちゃあできるんだけど…





「…つまんない」






さっきから気が散っちゃって、ボケーッと窓の外を眺めてる。




山本先生のわかりやすぅい解説も、右から左に流れてく。



風が吹いて、木が揺れてる~とか、桜はもう散っちゃうなぁとか


色々思っていたら



ふと。




校門が視界に入る。



その瞬間、ぶわり、と浮かんできたのは蓮の姿。


待ち伏せされてたのはつい最近だったというのに、

もう一ヶ月も前のように感じた。



あぁ…、そういやキスされたんだっけ。



ポワン、と思い出すのは柔らかい唇の感触。




「ぅぅ…///」



頬がジワリと熱を持った。




< 33 / 212 >

この作品をシェア

pagetop