愛、シテあげる。*完*



い、いけないいけない!



ブンブンと頭を振る。


何考えてるんだ私ってば!





いけない考えを吹き飛ばすために授業に集中しようとするけど




シャーペンを持つ右手は、一向に動かないし



逆に、色々な記憶が蘇ってきてしまう。



耳元にかかる熱い吐息とか…




蓮の色っぽい瞳とか…




甘いテノールの声だって……。




うわぁぁ//////



どんどん高まっていく頬の熱。



だって、仕方ない。




あんなことされるの、その、だから……

初めて、だったし。




何も免疫のない私には、刺激が強すぎたんだもん。








本当に、困ったなぁ。



蓮の姿が、声が、匂いが、脳内にへばりついているものだから



チョークを掴む先生の指先とか




頬杖をついているクラスメイトの横顔とか



男子の黒いペンケースにすら





蓮を、連想してしまう。



もう、どうしちゃったんだろう。




ぅぅぅ……///




家に帰りたくないよ……。







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