愛、シテあげる。*完*
昌彦さんの後ろから、私より頭一つ分背の高い男の子が出てきた。





え…?

アナタダレデスカ?






とてつもなく嫌な予感がするのは気のせいだと思いたい。
私って結構心配性なところあるし。うん。気のせい気のせい。

と思いたかったのに。

「この子が海城蓮君!昌彦さんの息子さんよ。真央ちゃんと同い年」




息子?

むすこ?


ムスコ?


musuko!?



「はぁあああ!?」


泣きたい。

泣きたい泣きたい!
「ママ!息子がいるなんて聞いてないよ!?てかなんで娘じゃないの!?」


同じ屋根の下で暮らすかもしれないのに!
うわ無理無理!今鳥肌たっちゃったもん!ゾワって!


「真央ちゃん、安心してよく聞いて」

にっこり笑うママ。
あ、まさか同居しないのかな?
あ~やっぱそうだよね?そうなんだよね?
そーですよね?
そーだと言ってぇッ!!(必死)





「ママと昌彦さんは結婚しないわ。ただし、一緒に住むわよ」


「なっ!?」


「それでね、真央ちゃんの男性恐怖症を治してくれるのが蓮君なの」


「え?」



治してくれる?


チラリと蓮君に目を向けると、蓮君は微かに微笑んだ。
げ。男だ。ホントに男だよ~(泣)
嫌だよ嫌だよ~!


「ママね、蓮君と何回か会ってるの。それで、とってもいい子だから、是非真央ちゃんのお婿さんにと思って♪だから昌彦さんとは結婚しないのよ」



「……はぇ!?」




ちょ、ちょっと待って!?



「そんなの知らないよ!」


「じゃ、よろしくね、蓮君」



「人の話を聞けぇ!」




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