愛、シテあげる。*完*
夕飯も食べ終わってリビングでくつろいでいると、昌彦さんがお風呂から上がってきた。
「あ~気持ち良かった。真央ちゃんも入ってきたらどうだい?」
ホカホカと血色の良い顔でにこやかに登場。
「あ、じゃあ入ってこようかな」
ソファから立ち上がり、風呂場へ向かう。
ゆっくり浸かって、リラックスしよ。
鼻歌を歌いながら脱衣所で服を脱ぐ。
ふと、鏡を見て
なんか、顔が違う。
そう思った。
まるで、女の子のような顔。
まあ女の子だけどさ。何て言うか乙女っぽいっていうか。
これって……恋患い?
…………。
「まさか、ね」
フッと笑って、服を全部脱いだ。
風呂場のドアを開け、まだ暖かい浴室へ。
あ。今日は薔薇風呂だ!
可愛らしいピンク色のお湯。
ここに昌彦さんが入っていたことを想像して、失礼だけど
プッ
ってなった(笑)
かけ湯をしてから、浴槽に入る。
ていうかここに、蓮もいたってことだよね。
蓮にお風呂って、なんか……
「……やらしい」
あの体に水が滴っていると考えるだけで、ヤバイ。
濡れた黒髪に、白い肌。
細いけど筋肉質なんだろうな。
睫毛の長い切れ長の瞳が、濡れて妖艶で……。
。。。。。
……///
って、
わ、私ってば一体何を!?
「いけないいけない!」
ブクブクと潜る。
どうしよう。
熱い。
胸が、熱い。
これはきっと、お湯のせいだ。
決して蓮のこと考えたからじゃない。絶対お湯だ。
だから、苦しいのも、お湯のせいだ。