愛、シテあげる。*完*



















「可愛い……真央」











ドキン









蓮。









それは、いけないよ。






そんな、柔らかい目で、





そんな、甘い声で










そんなこと言って、



笑っちゃ駄目。








胸が痛い。




ドキドキし過ぎて、胸が破裂しちゃいそうだよ。






焦げちゃいそうなくらい、胸が熱い。















「真央?」






「ぅぅ……」







「泣いてるの?」








何でそんな





優しい口調で名前を呼ぶの?










どうしよう。






もう、蓮で頭がいっぱいだよ。







ドキドキし過ぎて、涙が出てくる。









「悲しいの?」






首を小さく横に振った。





ううん。






「嫌だった?」







ううん。








「怖かった?」







ううん。









まるでお兄ちゃんのような蓮に、思い切り抱きついた。





涙は、未だ止まらないから



どうしたらいいのか、分からない。






ただこの涙が



悲しみでも嫌悪でも恐怖でもないことは分かってる。



今頭にあるのは……


「……真央?」




「……なの」






「ん?」








蓮と同じ、






「ピンクでいっぱいなの」








嬉しいとか好きとかそういうのじゃなくて





ただ、ドキドキして



蓮に、もっと触りたい。




そう思った。










「今私おかしいよ」



だって、













「無性に、蓮に触れたい」




「っ…」





目線を上げると、赤くなった蓮の耳が見えた。










ああどうしよう。




蓮の胸、



ドキドキして



あったかくて



心地よくて、仕方ないよ。





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