愛、シテあげる。*完*
「……真央さん」
あれ。
さん、に戻った。
蓮の顔を見ると、真っ赤だった。
か、可愛い……。
「あのですね。そういうことをこういう体勢で言ってはいけません」
「何で」
「……言っていいんですか?」
「何を」
「このままチューして、真央さんをトロトロに溶かしてからベッドに押し倒して僕のものにしたくなるからですよ(ニコッ」
「なっ!!///////」
魔王恐ろしや!
ていうかなんか、生々しいんだよ魔王!///
チューとか…
いや可愛いけど!
いやいやそーいうことじゃないだろ私!
しっかりしなくちゃ!
「あ、それともそうして欲しいですか?」
「けけけけ結構ですぅっ!!」
怪しい笑みにたじろぐ。
さっきまでの、
さっきまでの蓮は何処に消えたああ!?
「真央ちゃーん!ちょっといーいー?」
ママー!!!
階下から聞こえる思わぬ救世主の声に、希望の光が見えた。
「あ、私行かないとっ!!」
だから離して離して!
必死に訴えながら蓮を見ると、つまらなそーな顔をしていた。
こ、こんな顔、初めて見た…。
「はぁ…仕方ないですね」
「お」
蓮は私の手を引いて、扉を開けた。
「どうぞ」
「おぉ」
なんだ素直じゃん。
ホッとしたのも束の間。
フッ
「ぎゃっ!!///」
耳、耳!!
耳に息がぁッ!///
しかもわざと唇つけてきただろ!
わざとでしょ!苛めでしょぉぉ!
「真央ちゃーん!」
耳を押さえて蓮を睨んでいると、ママの声が段々近くなってきた。
「蓮の変態ッ!///」
捨て台詞を吐いてから、廊下に出る。