愛、シテあげる。*完*
バタバタ…
バタバタ…







「ハァ…ハァ」





面白いくらい見つからない!(泣)



蓮の馬鹿!
乙女(?)を走らせるなんて、男としてどうなのよ~!



うぅ……疲れたよ;
元々体力はそんなに無いので、手すりに背中から寄りかかってちょっと休憩。


暑いなぁ。
Tシャツの裾をめっさパタパタする。多分お腹が見えてるんだろうけど気にしない。
どうせ誰もいないしね。


パタパタしながら目を瞑る。



ホント、疲れたよ。
誰のせいだこれは。え?誰なんだ一体?
そうだよ、海城蓮のせいだよ。
アイツのせいで私はこんなにも汗だくなんだよ。



考えてたらムカムカしてきた…。


思い切り目を開いて、はい、いっぱい息吸ってぇ。

スゥッ




「……蓮の馬鹿!ドS!変態!ナルシスト!&馬鹿ー!」


あぁすっきりした。
大声を出したのでまた疲れちゃったよ。
溜め息をついて、目を閉じた。


























「誰が馬鹿ですか」










「…」





今、とてつもなく蓮に似た声がしなかった?

いや。気のせいだ気のせい。うん。






「誰がナルシストですか」











あ、ドSと変態は認めるんだ。


ってそんなことはどうでもええわっ。

さっきより声が近いんですけど?
近づいてきてない?


いやいやいやいや!無理無理。あんなこと言われて、魔王が黙ってるわけないもん。
絶対、





絶対、






魔王に処刑されるうッ…!;(泣)






冷や汗ダラダラの私は、まだ目を開けれない。

え~まさか聞いてるとは思わなかったし。なんつータイミングの悪さだよ。
魔王空気読んでください。真央ちゃんからのお願い。



でもやっぱり魔王は魔王。




恐る恐る目を開けたら…ね。
< 60 / 212 >

この作品をシェア

pagetop