愛、シテあげる。*完*
脳に直接くるような甘い苦しみ。
「ッ…はあ、はあ」
ようやく離された唇。
待ち望んだ酸素を、急いで肺に送り込む。
チュ、と首筋にキスが落とされる。
蓮のサラサラした髪の毛が、私の耳を掠めた。
「凄く、可愛い……」
いとおしそうに微笑んで私を見る、蓮。
ドキンッ…
その顔は……は、反則!///
そんなお兄ちゃんみたいな顔、ドキドキしちゃうじゃないか!
魔王のくせに、めちゃくちゃ和むじゃないか!
なーんて思いは、蓮によって直ぐに消し去られた。
「!え……ちょ、離せぇっ!」
いつの間にか、蓮は私をきつく抱き締めていた。
ちょ、ちょっと!
蓮ってばどうしちゃったの。
蓮の匂いが一杯に広がる。
「蓮?」
「……」
蓮の呼吸が聞こえる。
胸が上下するのも、温かな体温も
1センチも隙間がない距離に、男の子が、蓮が、いること
それが現実で今起こっていることなのだと思うと、凄く、不思議。
「真央
真央は、真央ですよね」
「え?」