愛、シテあげる。*完*
「……というわけで、私の平和は壊れちゃったの!」
ざわめく教室に、私の声が響く。
目の前に座る紫(ゆかり)は、すました顔で卵焼きを食べている。
仕草がお嬢様っぽい紫は、食べ方も綺麗。
「へぇ…大変ね」
「な、なんでそんな冷静なの!?他人事だと思って~!(泣)」
「他人事よ」
「……」
バッサリ切りやがったよ我が親友。
そうだ、紫はこういう性格だった。
「でも真央って、家のことほとんどやってるんでしょ?洗濯とかどうするのよ」
「え」
洗濯?
「男の物も洗うことになるわね」
「え?」
「下着とか」
「Σええっ!?」
嫌だ~!(泣)
それはとてつもない罰ゲームだ!
あ、目をつぶれば……って、そんなんじゃどこ持ってるか分かんないし……。
いや、そういう問題でもないし!(汗)
「紫~…私死んじゃう」
「すぐ慣れるわよ」
「慣れません…」
「あ、そうだ。蓮君がやってくれるかもしれないわ」
「その名前は出さないで!」
まさに悩みの種なんだから!
結婚とかなんとか言われたし
それにまさか…
蓮君が隣の部屋にくるとは思ってなかった…。
「隣だよ?トイレ行くときもビクビクしちゃう」
「我慢なさい」
紫は美しい手で私の頭を撫でる。
「うぅ…」
「早く蓮君に、男性恐怖症治してもらいなさいね」
「死ぬ…」