愛、シテあげる。*完*
「おぉ!」


あ・の!魔王から承諾が出るとは!
やった。やったよ私は。

これで純・真央が戻ってくる!


むひひひひひ。

「あ、でも」

「?」

何だよ魔王。



「我慢、できますか?」

「はっ?」


何を言ってるんだい魔王。
我慢できますか?って…。

「薬が効いていれば、僕に触れないで過ごすことは不可能なはずなんですよね」

「く、薬?」

魔王!なんか盛ったの!?
いつ!?何処で!?てか何を!?




「ええ。覚えてますか?僕がハンバーグを作った日」

「ハンバーグ?」


あ……紫が遊びに来たときか。

「うん」

「あの時、少々…」

少々、って。


少々じゃないわアホ!

「何を盛ったんだよアホー!」

青ざめる私を見て、楽しそうに目を細める魔王。うん、やっぱりこいつは真のドSだ。

「知りたいですか?」

「当たり前でしょ!」

非合法な薬か?裏の世界で作られてる何かか?それとも魔界の毒薬とか!?


いや魔界ってなんだよ!流石にそれは無いか。


「すみません。大きな声では言えないので…」

コツ、コツ、と大理石の床を歩いてくる魔王。

大きな声で言えないって……やっぱ魔界?
こいつなら有り得るな;


コツ、と鮮明な音を残して立ち止まる。かなり接近してきた蓮は、クイッと指を動かして、私に耳を貸せと指図した。


私はこしょこしょ話の体勢で、今か今かと、蓮が囁くのを待った。


お願いだから、犯罪的薬はやめてよ?
いくら魔王でも、やっていいことと悪いことが



ある、










グイッ


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