愛、シテあげる。*完*
皆さん皆さん。
よぉく聞いてください。
これから魔界に行こうかと思ってる人とか、
魔王になりたい人ー、
てか、
特に


海城蓮


という名の男。


いいですか~?いくら魔王でも、やっていいことと悪いことがあるんですよ。
よぉくよぉく、


肝に銘じといてください。




だからね、
魔王様魔王様。






「は・な・れ・ろーーーー!!!!」



目の前には、屈託のない、無邪気な笑顔。初めて見るよ!蓮のこんな顔。
でもその無邪気な笑顔で、





『私をベッドに押し倒す』ってどういうこと!?


さっき私、触んなっつったよね?
悪戯というか嫌がらせですか?
ルールなんて破っちゃうよ精神?俺様が世界のルール的主義?


おい魔王。

私の心臓、寿命尽きちゃうでしょ馬鹿馬鹿!


「捕まえました」

「あのさ……蓮君蓮君。私、さっきなんて言ったかな?」
柄にもない満面の笑みに、ドキドキというか恐怖さえ感じてきた。でもまだドキドキのほうが強いかな?7:3くらいかな。


なんだ結局ドキドキしてんじゃん!
なんて思うかもだけど、これはヤバイって。
普段、無感情で無表情な意地悪魔王がだよ?
なにこの可愛らしい笑みは。

母性本能、めっちゃくすぐられるんですけど。


「触るなって言ってましたね」

「そうだよねぇ。もっかいリピートしてみて?」

「触るなって言ってましたね」




もっかいリピートプリーズ。


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