愛、シテあげる。*完*
ほのかに赤く染まった蓮の頬が
余裕のない瞳が
本気であることを物語っていた。
でも。
やっぱり、魔王は魔王で。
す、と体が離れた後は、すっかりいつも通りに。
「早くとは言いませんが……」
ふむ、と少し考える蓮。
本当に、いつも通り。
「そうですね…。おじいさんになるまでにお願いします。ゆっくり待ちますね」
クス、と笑って、蓮は普段の調子で歩き、部屋を出ていった。
……今更ながら
「……あつ、い///」
体中が今までにないほど高い熱を持った。
今は、天蓋付きベッドも、ホラー映画も怖くなんかない。
頭の中が、蓮でいっぱいになっていて。
胸の高鳴りが抑えきれない。
ねぇ蓮。
君がくれた甘い薬は、
きっと、もう効き始めてる。
蓮の瞳が、
瞼に焼き付いて
蓮の声が、
耳にこびりついて
離れない。