愛、シテあげる。*完*
え?


と思ったのも束の間。




グイッと腕を引かれ、蓮の部屋に連行される。


入った瞬間、


ガチャ




鍵をかける不吉な音が。






ちょーい。ちょい待て。君は一体何をしてんの!?一体私にナニしようとしてんの!?

「私、アイス買って…うわっ!」



フワリと持ち上げられて……お姫様抱っこでベッドまで運ばれる。
なんか、王子様とお姫様みたーい


なんて呑気なこと、


言ってられッかああ!!


ポスン、と背中に柔らかな感触。



顔の横には、私の手首を拘束している蓮の手。

そして目と鼻の先には





大魔王様の黒~~い微笑み。



喰われる。


私、喰われるぅぅ!!(泣)




「離せー!馬鹿ー!変態ー!!」



「アイス、ご馳走してくださるんですよね?」



だから何だ!



「ですから……」




ペロッ




「っゃ//////」




唇に触れたのは、朝食のときに触れたものと同じ感触。



「真央アイス、いただきます」


「何そr…んッ!///」




うわわ……ヤバ、何して…ッ!



こ、このっ///



この変態キス魔あああー!!///




ぅぅ……ヤバイッ、てば。

…ぅう///




力が抜ける。
腰砕けって、このことをいうのかな。だぁもぉ、どーでもいい。

頭がポーッとして、考えるの疲れる。

脱力していたら、蓮の唇はいつの間にか離れていた。

「真央さん、大丈夫ですか」

「…ゅ…ぅ」

「すみません……少し、本気を出しちゃいました」


これで少しなのかよ…。本気出されたら真央ちゃん、昇天確実。

「ふ…ゃ…」

「……」

「れ……ふ、ぁ…や、ら」

蓮の馬鹿。

そんな言葉すら言えないなんて。情けない。



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