恋におちた <短編集>
守りたいもの
「愛。」
あたしの名前を呼んでいるのは、家庭教師の琉太………
高校受験が迫るあたしの家に急に来た琉太は、当たり前かのようにあたしの唇を簡単に奪った。
初めてのキス………
あたしを好奇心だけが埋めたんだ。
それから体の関係になるまで時間はかかんなかった………
「愛、おいで………?」
ベッドの上でそう言う琉太は艶やかで、そんな琉太に逆らえなかった。
「ん。琉…太……?」
少し緊張しながらベッドの横に座るあたし。
琉太はそんなあたしを見て、優しく笑う。
「お前かわいいよ。」
なんて言うから、危ない橋だとしても渡ろうとしてしまう………。
その甘い声と甘い顔で、今までどれだけの女をときめかせてきたんだろう。
「顔、真っ赤だね……。」
頬に触れる手はすごく冷たい。
心の冷たさなのかな……なんて考える。
「琉太、勉強は教えてくれないの……?」
「ん〜?教えてほしいの?」
琉太は意地悪だ………
あたしが勉強より、琉太とくっついていたいってわかってるのに
わかってて聞いてくる。
そのときの意地悪な笑顔は大嫌い
「別に……っ。」
その瞬間、琉太の顔が近づいた。
キスだ…………。
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