恋におちた <短編集>
琉太の気持ち
愛が妊娠発覚したとき、愛の母親からすぐに連絡がきた。
愛が妊娠…………
俺はやっと受験に受かった愛を妊娠させた。
しかも愛は産むって………
もし産むなら、俺は逃げずに一緒に育ててやりたい。
そう思って愛がいない間、何度も愛の両親に会いに行って説得をした。
でも…………
「まだ君には、経済力もないただの子供だ。
愛は高校を中退してまで、君との子を産もうとしてるんだ。
だったらもっと支えられる男になってからにしろっ!」
愛の父親が言ってることは、否定できなかった。
でも今は無理でも、いつか3人で一緒に………
そう思えば頑張れた。
ひたすら勉強して、バイトもしてお金を貯めてた。
ときどき、愛の母親から連絡がきて愛たちの状態を教えてくれた。
愛は……俺との写真を部屋に置いて、子供にパパと教えているらしい。
そして子供の名前を"琉太"から琉を取って"琉菜"にしたっていうのも聞いた。
それを聞いた瞬間、俺は泣いた。
愛の母親は、いつか住める日がくると言ってくれた。
そして俺が教師になって数ヶ月したとき、迷わず愛と琉菜を迎えに行ったんだ。
守りたくてがんばってきた教師の夢。
でも教師よりも愛の隣にいることが大切になってたんだ。
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