恋におちた <短編集>

永遠





――――………




「こらっ、琉菜っ!

走っちゃだめでしょ?」



「はーいっ!」





あたしが高校入学してたら4ヶ月……

夏休みが始まってすぐにあたしの中には赤ちゃんがいたことがわかった。


調べなくてもわかる。
琉太の子………


ただの家庭教師と生徒の間にできた小さな命

あたしは琉太に言うことができなかった………。


ずっと話そうか悩んだけど、琉太は大学生としてがんばってた。

前に教師になりたいって言ってたから………





あたしはすぐに退学をして引っ越すことになった。


もちろん父親は反対したけど、同じ女のお母さんは

「愛してる人の子なら、生みなさい。

後悔しないのね?」


そう言ってくれた母親に、あたしは黙って頷いた。

納得してくれたお父さんも、学校をやめたとき近くのアパートを借りてくれて、あたしと子供の面倒を見てくれた。



あれから3年………
琉菜はもう2歳。


琉太は何をしてるんだろう。

ときどきそう考えることもあるけど、あたしはやっぱり琉菜を産んで良かった………。


琉太とあたしの子供。
そう思うと愛しく思える。




.
< 7 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop