きっとそれを      平凡と呼ぶのだろう

 常に貧血で、入院して治療しなさいと勧められるほどだった。
 ただでさえ通院代でお金が掛かっている。
 仕事を休んで入院すると、払えるものも払えなくなってしまう。
 母の負担も大きい。

 母自身も持病があるため、通院、入院で費用を使うのは一人ではないのだ。
 それを考えると、少しでも安い薬にしてもらい、通院回数を減らすことしか彼女に出来ることは無かった。


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 25歳頃だっただろうか。
 2回目の手術を行った。

 腹部とへそに穴を空け、カメラとハサミを穴から入れて作業をする。
 子宮に出来たポリープも取ってもらった。

 主な手術内容は、左の卵巣の状態を確認すること。
 右の卵巣と卵管に絡みついて癒着している血液を剥がすこと。

 全身麻酔で行った手術の後、映像を見せて貰う機会があり、自分の臓器がどれだけ危険な状態なのかを思い知らされた。
 頭の中のイメージでは、卵管は紐状で、その先に丸いものがくっついていると思っていた。
 画像に映されたのは、卵管と卵巣の境目が解らないものだった。

 卵巣が少し腫れているとは言われていたものの、卵巣よりも細い卵管が、それ同様なサイズまで腫れ上がっていた。
 しかも腫れ上がった卵管はねじれかけていたらしい。
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