この街と死んだ
鏡ばりになっている天井を
見上げる
事が終わり息切れがする
あたしは今どこにいるんだろう
「茉莉、すきだよ?」
頭をなでられてハッとした。
「あたしもチロがすき」
頬が熱くなる。同時に涙腺も弱まる。
「今日は一緒に眠れるの?」
「ああ。嫁が実家にいってるから」
「ほんと?うれしい」
「シャワーあびてくるよ」
「うん…。」
チロはあたしの恋人。
でも奥さんがいる。子どもはいない。不倫なんて呼べるほどあたしは大人ではない。嘘でも遊びでも「恋人」とは呼ばせてもらっている。