この街と死んだ
ビルの入り口からひょっこり
顔を出すあたしと同い年の女の子。
「やっぱりここにいた。クロが怒ってたよ。また部屋から抜けたって」
「…こゆき、店から出ちゃだめだよ。ちゃんと階段から出てきて。ヘルス嬢と勘違いされるよ?」
「だってクロに言われて急いでたんだもん。」
「いやいや、四六時中部屋からでるなって意味がわからん。いい加減頭がおかしくなってしまうわ。」
「うちらが出たらクロの責任だからね。殴られるじゃすまないでしょ?(笑)」
「部屋から出たってどーせこのエリアからは出られないんだから。逃げたって一時間もありゃ捕まっちゃうじゃん。」
「ま、ね。煙草一本ちょーらい」あたしとよく似たワンピースのポケットからラブホテルのライターをとりだした。
こゆきはあたしの親友。悪友、とも呼べる。