カテキョのコンちゃん!



「ふうちゃんの家族はみんな素敵だね。」


玄関口に見送りに立ったあたしにコンちゃんは嬉しそうに言った。


「コンちゃん、すごく気に入られてるよね。取り入るのが上手いっていうか…。」

「えー、なんかそれ悪口に聞こえるー。」


まあ、7割嫌みなんだけどね。

「きっと色んな生徒の家族に気に入られてたんだろうね。」


何の気なしに呟いた。


「……生徒の家族と、こんな風に仲良くなることはなかったよ。」


―…え?


「そういうのって良くないことだから、禁止されてたし。」


なるほど。

きっと前の職場だったら、いっぱい生徒がいたからその家族と仲良くしてたら大変だし……。
わいろというか何というか……。

うまく言葉には出来ないけど、コンちゃんの言いたいことが分かった気がする。


「また明日ね、ふうちゃん。」


「うん、また明日。ばいばい、コンちゃん。」
< 19 / 22 >

この作品をシェア

pagetop