カテキョのコンちゃん!
「ふうちゃんの家族はみんな素敵だね。」
玄関口に見送りに立ったあたしにコンちゃんは嬉しそうに言った。
「コンちゃん、すごく気に入られてるよね。取り入るのが上手いっていうか…。」
「えー、なんかそれ悪口に聞こえるー。」
まあ、7割嫌みなんだけどね。
「きっと色んな生徒の家族に気に入られてたんだろうね。」
何の気なしに呟いた。
「……生徒の家族と、こんな風に仲良くなることはなかったよ。」
―…え?
「そういうのって良くないことだから、禁止されてたし。」
なるほど。
きっと前の職場だったら、いっぱい生徒がいたからその家族と仲良くしてたら大変だし……。
わいろというか何というか……。
うまく言葉には出来ないけど、コンちゃんの言いたいことが分かった気がする。
「また明日ね、ふうちゃん。」
「うん、また明日。ばいばい、コンちゃん。」