ハナ*キス
気がついたら宏人の顔が目の前に合って、言葉を遮られたんだと気づいた。


宏人がサッと離れる。


何秒もない、『瞬間』より短い時間だったけれど。

春歌は見る見る顔を火照らせた。



「な、なに!? なんやの!?」

「……これで分かったろ?」


宏人が照れくさそうに呟く。



もちろん、春歌は分かっていた。



(宏人も、同じ気持ちやったんや……)



それが嬉しくて、ますます桜色に染まる頬。

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