ハナ*キス
「ん。元気……」


そう言う割には消沈気味だったので、青年はニッコリ歯列を剥きだして笑った。


「なんや春歌、元気ないやん? ……あ、分かった! 大学うまくいってないんやろ? せやろ?」

「相変わらずうるさいなあ! てか何でここにおるん!? 夏休みしか帰って来られへんて言うてたやん!」

「急に帰って来たくなったんやもん!」



笑顔で接すれば接するほど、春歌の機嫌は悪くなっていく。


それもそのはず。




(別れたら、ただの友達なんやな)




元気? とか、上手くやってるか、とか。


そんなことより、もっと他に言って欲しいことは山ほどあるのに。

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