ハナ*キス
「──春歌?」


気づいたら、青年の見開かれた丸い瞳が目の前にあった。


春歌はわざと視線をそらして、口をきった。


「宏人は? そっちの大学、どう?」

「え? ああ、別に、普通やな」

「別にって?」

「ん? えと……いろいろ?」

「いろいろって?」

「いろいろ……あ──~何なん? 尋問みたいやなあ」

「『何』って……2年間、ろくすっぽ連絡してくれへんかったやろ?」

「しゃーないやろ~? 俺かて忙しいんや、高校ん時みたいにいかへんて」



それもそうだ。

もう、付き合ってるわけじゃないんだし。

『友達』なら、毎日メールする必要もないわけで。

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