ハナ*キス
高校2年の春に、桜の木の下で。

付き合い始めてから、初めてのキス。



──それは、桜の花色と同じくらい淡くて、大切な思い出。



〝淡い〟からこそ、鮮明に思い出しちゃいけない。


だって、あの時の気持ちも心も、今ここには無いのだから。




「人の話、最後まで聞けよ」




ため息混じりに宏人が言う。

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