ハナ*キス
春歌はおずおず宏人を見上げ、難しい顔をしている彼の瞳を覗いた。

宏人はどこか気まずそうに目をそらして、


「俺も」


と細く呟いた。


「え?」

「だから……俺も……だって」


しかし、宏人の声は小さくて、ほとんど聞き取れない。


「は? 何なん? はっきり言うて──」





……──その途端。

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