お子ちゃま☆彼氏
"ドンドンドン!!"
「海里。海里。私、香西。開けて? ちゃんと生きてる? 怪我してない?」
私はドアを強めに"ドンドン"叩きながら、声を荒げていた。
"ガチャ"
「おかえりー。夢ちゃん。待ってたよー」
ドアを開けた海里は、拍子抜けなくらい、ふにゃっとした笑顔でゆっくり出て来た。
「あれから台所仕事はしてない? 火は使ってない? 怪我してない? ちゃんとご飯は食べた?」
私は海里を目の前に確認するようにまくし立てた。
「うん。ちゃんとオレ夢ちゃんとの約束全部守ったよ」
「良かったぁ」
私は安心して体中の力が抜けて行くのを感じた。