お子ちゃま☆彼氏


目の前で私に甘えて来るこの男、そうこの男が噂の私のイケメン彼氏。

見た目はふあふあした髪の毛にまあるいキラキラした目、私よりちょっとだけ高い身長に、かわいい声した甘え上手。全体的にトイプードルのぬいぐるみのようだ。

ただ、完璧なのは見た目だけ。それ以外は人並み以下なのだ。何も知らないし、何も出来ない。今までよく生きて来れたなと感心しちゃうくらい無知だ。小学生の方がまだまともかもしれない。

「ねぇ海里、私ね、今から会社に行かなくちゃいけないから、帰って来たらゆで卵の作り方教えてあげるから、夜でいい?」

「え~!!」

ぶうたれながらも、私が急いでいるのは理解してるようで、

「じゃ、行ってらっしゃいする」

すーっと顔を近付けると、"ちゅ"と私の唇に軽く触れてニッコリと笑った。

うん、もう。こういう時だけは大人なんだから。
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