お子ちゃま☆彼氏
「さぁ、今日は夢も帰って来た事だし、みんなで手巻き寿司パーティーよ」
大きなテーブルに乗り切らないくらいに、すしネタとおかずがある。
「ほらほら。夢もどんどん食べなさい。母さんいっぱい作ったんだから」
母はまるで太陽のように笑ってる。
私は食欲はあまりないけれど、私の為に作ってくれた母さんの気持ちがうれしくて、一番好きなサラダ巻を作り始めた。
「夢はホントそれが好きねぇ」
母は目を細めて笑っていた。
父さんと母さん。兄さんと奥さんの万里(マリ)さん、一人息子の翼(ツバサ)3才。私の家族。大切な家族。
「つばさも~、じぶんでぇ~まきまきするぅ」
翼の手は既にご飯粒だらけだ。
その姿がかわいくて、みんなで声を出して笑った。
誰も私の近況について聞いてこなかった。ただただ明るい食卓だった。