お子ちゃま☆彼氏


"う~ん" あれ?もう朝?

真新しいカーテンから、優しい朝の光が差し込んで来た。

どうやらいつの間にか寝ていたようだ。

時計を見ると6時だった。いつもと同じ時間に起きるなんて、習慣て恐ろしい。

1人でクスッと笑った私。手鏡で顔を見ると、瞼が腫れてちょっと不細工だ。

誰かに見られる前に直さなくちゃ。

そぉっと部屋を出て、こっそり洗面台で目を冷やしていると、

「おはよ」

ニッコリ笑う兄さんだった。

まずい…。顔見られちゃった。

でも兄さんは何も言わない。

「夢、オレ今日休み取ったから、久し振りに2人でドライブに行こうか」

「え?」

「親孝行休暇なんだろ? 今日はオレに親孝行しろよ」

いたずらっ子のように笑いながら、デコぴんしてくる。

「うんもう。痛いじゃんか。分かりました。お兄様。しっかりと"孝行"させて頂きます」

私が元気ないのに気付いているんだよね? 兄さん、ありがとう。私は幸せ者だよね。

私たちは兄妹水入らずでドライブに出掛けた。

外は快晴だった。

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