お子ちゃま☆彼氏
海里は残酷だね。
私だって別れたい訳じゃないのに。
表の顔はれっきとした大人でも、やっぱり海里だ。お子ちゃま彼氏だ。
私は決意して海里の顔を見上げた。
「海里。これからは婚約者をちゃんと大事にしてあげて。二股掛けるような男は私は大嫌い。大嫌いだよ。…だから、別れよう」
「夢ちゃん、そんな事言わないで。夢ちゃんが大好きなんだ。オレは別れたくないよ。絶対別れない」
私を抱く力が痛いぐらいに強くなった。
私は頑張ったのに。海里の幸せを願う為に自分の気持ちに蓋をしたのに。泣かないように我慢してたのに。
「海里。残酷だよ」
私の涙腺は決壊した。次々涙が溢れて来る。もう止まらないよ。
私は海里の胸で大泣きした。