お子ちゃま☆彼氏


どのくらい泣いただろう。もう涙が出ないんじゃないかってくらい泣いた。泣きまくった。

その間中、海里は私の事を抱きしめ、

「夢ちゃん、大好きなんだ。オレを信じて」

そう繰り返し言っていた。

私の涙も枯れ果てた頃、海里が静かに話始めた。

私にまるで話し掛けるように。静かな声で。

「夢ちゃん、今から言う事が真実なんだ。聞いて欲しい」

私は返事をする力も残ってなくて、泣きすぎによる放心状態のまま、聞こえてくる静かな声だけに耳を傾けていた。


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