お子ちゃま☆彼氏
「オレの親父は会社を経営している。この間、夢ちゃんが会ったのが父親だ。
オレは、お嬢様育ちで家事の全く出来ない母親と、仕事で忙しいくせに子離れ出来ない父親に、多分…溺愛されて育ったんだと思う。
気が付いた時は、自分は周りとは違っていた。学校の勉強、社交界の付き合いは普通にこなせるが、生きる力だけが特に欠落してたんだ。
このままだとオレは親父の思い通りにしか生きれない。28にして、オレは初めて親父に反発した。自由にさせてくれって。
親父が出した条件が、あのアパートでの一人暮らし。自分の力だけでね。
引っ越しと、家具や食材だけは最初だけ用意してくれた。そんな環境で頑張っても、親父はオレが1日ももたないと考えていたんだ。
でも親父の思惑は外れた。オレは泣きついて来るどころか、彼女まで作って楽しく暮らし始めた。
焦った親父は俺たちをハメたんだ…」
「え…? ハメた…?」
今までボーっとする頭でどこか夢物語のように聞いていたが、"ハメた"という単語に私の思考は覚醒した。
「どういうこと?」