お子ちゃま☆彼氏
「夢ちゃん、大好きなんだ。これからもオレの隣にいてくれる?」
嬉しい。
すごく嬉しいんだけど、私は素直に頷けない。
私はお父様に嫌われてるんじゃないの?
「夢ちゃん、何を考えてる? まだ説明が足りない? 言って。思ってる事言ってよ!!」
海里は何故か涙目だ。
私は意を決して話し始めた。
「私はお父様に嫌われてるんじゃないの? 海里をたぶらかしたみたいに思われてるんじゃないの? それに私と海里じゃ、住む世界が違うよ」
私はジワッと涙が浮かんだ。
「違うよ。親父は夢ちゃんがキライなんじゃないんだ。オレが離れて行くのが許せなかったんだ」
海里は優しく私の髪をなでる。
「夢ちゃんとの仲を反対するなら、会社も継がないし、親子の縁を切るから…って啖呵を切ったら、親父はオレがマジだと初めて分かったらしい」
"遅いよな"
なんて言いながら笑ってる。
「オレは夢ちゃんと一緒にいられるなら何もいらないんだ」
そして私の頬にキスをする。