空夏薬
いつか話した物語の続き
君は気になって
また僕の部屋へ迷い込んだ

額に汗がビッシリ
滴り落ちると本は読めずに
泣いた君は幼かったね

泣き出したくなるような
高い青空に
良く映えるオレンジの紙飛行機
想い込めて投げたんだ

物語の続きは君の
心の底にあるんだよ
だから一生懸命生きて
見つけたら
僕に教えて欲しい

ラムネが喉でしゅわしゅわ
麦わら帽子が似合う君

何処へ行ってしまったの?

独り残されたのは僕で
君は僕が泣いているなんて
心の隅ですら思わず
笑顔を描いているだろう

間違いなんて何処にもなかった筈なのに

祭の音が厭に耳をノックする
煩くて眠ることすら出来なくて
また悲しみをなぞる

君が物語を抱えて
汗を滲ませながらこの部屋に
戻る頃
きっと僕は眠っている

君に何度呼ばれても
きっと僕は眠っている

向日葵の傍で
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