約束
「それだけ、彼を愛していたんだね。」
先生は微笑んだ。
「僕は君を見守っているよ。」
「先生・・。」
「辛いことがあったらいつでもおいで。」
先生はアタシの頭をクシャクシャと撫でた。
「今は全てが辛いかも知れない、けどねいつかはその痛みを越えられるんだ。」
「はい・・・。」
「彼との思い出は辛いものじゃなくて幸せだったものに変わるんだ。」
「だから、今は生きて笑っているんだよ。」
先生はずっとアタシの頭をクシャクシャとする。
その大きな手は優そっくりだった。
撫でる力も、触り方も。
アタシはそっと目を閉じて思い出す。
あの日を・・・。