約束
「~~~~~。」
聞こえるお経。
人々のすすり泣きが聞こえ、まわりは黒い人だらけ。
目の前には眩しいくらい笑顔の優の写真。
その下には、白い棺。
「奈々。」
後ろの声に振り向けば健介が立っていた。
「健、介。」
健介は優の親友だった。
健介も周りの人と同じように目を腫らしていた。
いつもは冗談を言って泣くことを嫌う健介が泣いている。
「優が・・・。」
「奈々・・。」
健介は何も言わずアタシを抱きしめた。
「辛かったな。」
「・・・うん。」
「悲しいな、優がいないなんて・・。」
「優が・・・。」
「奈々・・苦しいな。」
健介が力を強める度に涙が溢れる。
「お前はきっと俺より辛いだろ・・。」
「わかんないよ・・・。」
「愛する人を失った痛みはわかんないけど・・・大丈夫かよ・・?」
「わかんないよぅ・・・。」
アタシは声を殺して健介の胸で泣いた。