約束


「ごめん、せっかくの誕生日なのに・・彼女に悪いね。」

「俺、彼女いないよ?」

「でも、せっかくの誕生日なのに失恋話なんて聞かせて・・・」


優はアタシの前に手を置いて笑う。


「謝らないでさ、祝って。」

「でも・・・。」

「俺、もう最高の誕生日プレゼントもらってるから。」

「そうなの?」

「奈々と逢えたこと。」


優は悪戯坊主のように笑った。


「このセリフくさかった?」

「・・・・くさっ!!」


アタシは鼻をつまんで笑った。


「おっかしーなー。健介がこのセリフを言えばいちころだ!!って言ってたのに。」



優は首筋を触って恥ずかしそうにそっぽを向いた。


「おめでと・・。」

「ぇ?」

「誕生日おめでとう。」

「・・・ありがと。」


優は嬉しそうに笑った。




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