約束



・・・眠い。


家に着いたのはもう夜だった。

お風呂に入りご飯も食べずに布団に入る。

そんな毎日の繰り返し。

ご飯を食べないと先生には悪い気がしたけど今日はそんな気分にもなれなかった。


「疲れたぁ。」


なんて独り言を呟いてみる。

話しかけるのはテレビのクイズ番組。

いつの間にか手には携帯が収まっていた。


いつもならディスプレイに優の名前が表示されるのに今日は・・・いや、今日も表示されない。


寂しさが募るだけだった。



「逢いたいよ・・・。」


ぼそりと呟いても言葉は空気に消える。


「・・・寝よう。」


すっと立ち上がってベットへと足を運ぶ。


「あだっ!!!」


ガツン!!と音を立ててアタシの足が棚にぶつかった。

バサバサバサ、と音を立てて崩れる写真。

足の痛みにしばらくうずくまっていたアタシ。


恐る恐る目を開ける。


そこには幸せそうに笑う優の写真が幾つもあった。




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