約束
「優・・。」
そっと写真を拾い上げ、眺めるアタシ。
こんなに元気だった優はもういない。
涙が溢れた。
「なんでッ・・なんで逝ったの?」
どれだけ問いかけても写真の優は喋らない。
「ねぇ、約束したじゃない。何処にも行かないってぇ・・・。」
泣きながら写真を拾い集める。
すると、一通の封筒があった。
それは優が亡くなる前にアタシに渡した物だった。
「ぁ・・・。」
開けたい、けど開けたくない。
そんな心の葛藤。
だけど、手はもう封筒を開いていた。
そこには沢山の写真があった。
「なに・・これ?」
アタシの写真、空の写真、病室の写真。
隣の部屋のおじいちゃんおばあちゃんの写真。
小児科の子供の写真。
沢山の被写体はどれも幸せそうだった。
奥の方にあった写真。
優の笑った顔の写真だった。