約束



「白線の後ろまでお下がりください。」


列車から降りたアタシを温かく迎えた駅長さん。

こくりと会釈をすると満面の笑みで答えてくれた。



潮の香りが鼻をつく。




「優。ついたよ。」


写真の中の優に見えるように、カバンから取り出して掲げた。




思い出の海へ。

あの日の思い出に逢いに来た。


まだ胸は苦しいけれど、これを乗り越えなきゃ駄目だ。


アタシの足は堤防に向かって進みだした。




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