約束
「帰って・・きた?」
「そうだよ。」
「嘘だよ、ありえない。」
「馬鹿だなぁ・・・素直に喜んでよ。」
優が帰ってきた。
それは紛れもない事実。
これは現実。
目の前に死んだはずの優が立っていた。
夢でもいい、現実ならもっといい。
どうしてここにいるかなんてどうでもいい。
優が側にいる。
だんだんと嬉しさが込みあげる。
「優・・・優・・・優ッッ!!」
アタシは何度も優の名前を呼んで抱きついた。
じんわりと濡れていく優の服。
「俺、死んだときの格好だから病院服なんだわ・・恥ずかしいけど。」
そんなことはどうだっていい。
「逢いたかった・・逢いたかったッ!!」
「俺もだよ。」
「優だ・・優がいるんだよね。」
「あぁ、俺はここにいるよ。」
「うわぁぁー!!優ー!!」
アタシは歓喜の涙を流し続けた。
優は黙ってアタシを抱きしめていた。