約束
『北川 優 告別式』
いつの間にか朝になり、優の告別式が始まった。
棺の中の優。
泣きながらみんながそのなかに花を詰める。
アタシはペンダントと花を詰める。
優は笑わない。
「最後のお別れをしてください。」
葬儀屋さんが言ったと同時に優の顔を見せていた扉がゆっくりと閉まる。
「ぅあぁぁー!!!」
「わぁぁー!!」
あちらこちらからの号泣。
優はみんなに愛されていたんだね。
アタシもついに声を上げて泣いた。
涙を拭ってくれる優の指はもうない。
止まることのない涙。
フラッとしたアタシの体を健介が支えた。
健介も昨日と同じ。
泣いていた。
アタシは健介の胸の中でずっとずっと泣いていた。
プァーン・・・・。
優との別れを告げる霊柩車のクラクションが寂しく響いた。