約束

[優side]


「ん~ぁ、コレにしよ。」


もしかしたら先生に会えるんだ。
ちったぁいい格好しねーとな。


「てか、腹減った・・。」


俺はテーブルの上の林檎をひと齧りするとソファに座った。


「ふぅ・・。」


俺はソファから立ち上がってウロウロしてTVをつけてみる。


それでも落ち着かない。


しまった、不安すぎる。



「はぁ・・。」


俺はもう一度ソファにどっかりと座って開き直る。


・・・本当は行かせたくなかった。
先生はきっと奈々を想ってる。
それは生徒への愛情とかじゃなくて、男として。
1人の女として奈々を見てる。
同じだから分かる。
あの目が奈々を見つめている。
ずっと前から知っていたことだ。

あんな綺麗な目に奈々が捕まってしまわないか。
片想いのときはとてつもなく不安で。
付き合ってからも、先生は格好いいし、性格はいいし。
俺とは月とすっぽん。


「ぁー、なんで行かせたんだろーな。」


先生から奈々の携帯に電話が来たとき俺はハッとした。
あぁ、もう俺はこの世からはじき飛ばされていたのだと。

先生の奈々に対する想いが俺が死んだことによって日に日に大きくなっていることを。




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