約束
どぉんっ!!
「んゎっ!」
劇場内に響く大音量の爆発音に思わず声をあげて身を固める。
大音量のおかげで隣の人に声は聞こえなかったらしく、少し胸をなでおろした。
「…大丈夫だったかい…?」
こそっと先生が耳元で囁いた。
「へっ!?ぁ、はい…。」
先生が暗闇の中で優しく笑うのがわかって恥ずかしくなった。
どうやら先生には聞こえていたみたいだった。
先生はクスリと笑って私の頭に手を置いてポンポンとなでる。
一番後ろの席に座ったため、後ろの人の邪魔になることはないけど少し恥ずかしい。
そうして先生はまた映画の方に向いた。
手が当たっていた頭のてっぺんがほんわかしていた。
けど、どれだけあの時怒っていても優の事が頭から離れない。
優…。