夢デアエタラ
【現夢六回目ー8】



物音を立てても大丈夫と
分かったアスマの足に、

力が入るようになった。







「ほ、本当に
大丈夫そうね…」







螢も落ち着き、
さっさと階段に上る。







「もうこのくらい
音たてたって大丈夫だろ

早く来いよ」







「ちょっと、
それでも
置いてかないでよ!」







先ほどよりか
しっかりとした足取りで
アスマは階段を上って
行った。







しかし…

コイツらがそこまで
集中してる祈りは
なんなのだろうか…?







そう考えながらも
ひたすら上ると、

途中の階段から
サハラ一族の列が
途絶えている。







これより先からは
一匹も姿が見えない。







すると、
木と木の間から、
光が差していた。






そこを覗くと、
山の頂上がハッキリ
見えている。







頂上までは
地上にあった
あの独特のモヤがなく、

透き通った
白みのかかっている
不思議な空が見えていた







「……!!」







螢は
『あるもの』を
見て息を飲んだ。







それは……








「麗花!!!!」







思わず螢は
大声で叫んでいた。






頂上は木は生えてなく、
岩になっており

その岩の先に
さらわれた女の子は
目隠しをされており
太い丸太に縛られていた







それは
あと少し踏み出せば
崖から落ちるところ…







後ろから
少しでも力が加われば
そのまま落ちる仕組みに
なっていた
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