夢デアエタラ
【螢ー12】


里見先生は
教壇に戻ると

クラスメート達の顔を
ジッと見た。







「今日は
始業式ってことで、
ホームルームは
これで終わりだ。

みんな、道草しないで
真っ直ぐ帰るように」







言葉に出さなくとも、
みんなは「は~い」と
言わんばかりの雰囲気だ







そんな中
螢は誰より先に
教室を出て、

まだ人の少ない廊下を
フラリと歩いて行った。








げた箱から外に出て、

校庭の桜並木に舞う
桜の花びらに
押されるよう
螢は学校を後にする。







外は
まだ肌寒い春風が
通り過ぎていた。








「…お?
螢じゃねえか?」







急にそう声が聞こえ、
螢はパッと後ろを
振り向いた。







そこには
同じ歳くらいの男が
2人立っていた。







「あ…和也と明彦か?」







螢がそう言うと
2人はニッコリと答えた







「そうだよ!
ナニナニ
久しぶりじゃ~ん!!」







明彦と呼ばれる方の男は
そう答え、

螢の肩をポンと叩いた。







この2人は
中学時代の同級生。








螢も昔の友達に会えて、

とても嬉しい顔を
していた
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