夢デアエタラ
【現夢六回目ー11】



その途端に、
先ほどまで
下から聞こえていた
サハラ一族の祈りの声が
止んだ。







そして、
一瞬の間の後
低い唸りと共に
走り来る音が
聞こえてきた。








長の祈りが消え、

螢達に気付いた
サハラ一族は

怒涛のごとく
迫ってきたのだ!!






「わりいなサル女。
我慢できなかった」






アスマのもとへ
戻った螢は

自分のしたことに
謝った。







それでも
アスマは怒りはしない。







不思議と自分の死にも
冷静になれた。







やれることはやった…





長も倒せたんだし
言うことはない。



後は死を待つだけだ…







ドドドドと
確実に死の足音が
迫ってくる。







そんな絶望なアスマを
よそに

螢は
何かを見つめている…







すると……







「そうだ…!」







何かを思いついた螢は
声を上げ、

木のトンネル出口に
近付いた
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